パソコンの動きが遅い?今すぐできる「ハードウェア健康診断」で原因をチェック!

パソコンが重い・遅い原因をハードウェアからチェック!CPU・メモリ・ストレージの診断方法を初心者向けにわかりやすく解説。

完了
開始日
2025年8月17日
終了日
2025年8月17日
期間
1日間
最終更新日
2025年8月17日
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前回は、パソコンの中の「頭脳(システム)」をチェックして、調子を整える方法を紹介しました。今回はその続きとして、パソコンの「体=ハードウェア」部分の健康チェックをしていきます!

「最近パソコンの調子が悪いかも…」と感じたら、中の部品が疲れてきているサインかもしれません。このページでは、初心者でも簡単にできる「ハードウェア診断」の方法をやさしく紹介します!


パソコンの“体”って何?よく使われる3つの重要パーツを知ろう!

パソコンにはたくさんの部品がありますが、中でも特に重要なのが次の3つです。

① CPU(シーピーユー):パソコンの“頭脳”

  • パソコン内の計算や命令を実行する、最も重要なパーツ。
  • この性能が高いほど、パソコンの動作は速くなります。

② メモリ:作業中の“机の広さ”

  • 同時にどれくらいの作業をこなせるかを決めるパーツ。
  • 広い机(メモリが多い)なら、複数のアプリやタブを開いてもサクサク動きます。

③ ストレージ(SSDやHDD):データをしまう“棚”

  • 写真や動画、アプリなどを保存するための場所。
  • 現在は高速なSSDが主流。昔のパソコンはHDDを使っていることが多いです。

💡 ポイント:この3つのパーツのバランスが重要! どれかが極端に遅いと、それが原因でパソコン全体の動作が鈍くなることもあります。


【ステップ1】まずはタスクマネージャーで「体力チェック」!

今のパソコンがどれだけの力を使っているか、まず「タスクマネージャー」で確認してみましょう。

■ タスクマネージャーの開き方

  • Windows 11:画面左下の「Windowsマーク」を右クリック →「タスクマネージャー」
  • Windows 10:タスクバーの何もないところを右クリック →「タスクマネージャー」  ※「簡易表示」の場合は左下の「詳細」をクリック!

■ パフォーマンスタブで確認する

  1. 上部の「パフォーマンス」をクリック
  2. CPU」「メモリ」「ディスク(ストレージ)」の項目をチェック
  3. パソコンが重いと感じる操作(起動直後、動画再生など)をしてみる

→ どれかの使用率が90〜100%近くまで跳ね上がったら、そこがパソコンの“負担がかかっている場所”です。

■ よくあるケース

  • 起動時が重い:ディスク(特にHDD)の使用率が高くなりがち  → 古いHDDを使っていると、これが原因で動作がもっさりしやすいです  → SSDに交換すれば、劇的にスピードアップする可能性も!

【ステップ2】ストレージ(SSDやHDD)の健康状態を調べよう!

「タスクマネージャーでディスク使用率が高かった」 「HDDだけど以前より遅くなってきた気がする」 そんなときは、ストレージの健康状態をもっと詳しく調べましょう。

■ 無料ソフト「CrystalDiskInfo」でチェック!

  1. Googleで「クリスタルディスクインフォ 窓の杜」と検索してダウンロード
  2. 起動すると「健康状態:正常・注意・異常」などが表示される
  3. 状態に応じて次のように対応します:
表示意味対応方法
正常問題なし安心して使い続けてOK!
注意劣化が始まっている早めにデータをバックアップ!交換検討も
異常かなり危険な状態今すぐバックアップ&ストレージ交換を!

💡 CrystalDiskInfoでは、使用時間・電源投入回数・寿命目安(TBW)もチェック可能。中古PC購入時にも便利!


【ステップ3】Windows標準機能でエラーチェック&修復!

ストレージにエラーがないか、Windowsの「プロパティ」からも簡単にチェックできます。

■ やり方:

  1. 「PC」から Cドライブ を右クリック →「プロパティ」
  2. 「ツール」タブ →「エラーチェック」→「チェック」ボタンをクリック

注意:重要データは必ずバックアップを! このチェックでエラーが見つかって修復が入ると、データが一部削除・上書きされる可能性もあるため、事前にバックアップしておくのが安全です。


【ステップ4】ストレージの「最適化」も忘れずに!

ドライブを整理して、効率よく動けるようにする作業が「最適化」です。

■ 実行方法:

  1. 「Cドライブ」のプロパティ →「ツール」→「最適化」ボタンをクリック

■ SSDでも最適化して大丈夫?

  • 昔は「SSDにデフラグはNG」と言われていましたが、今は心配不要!
  • WindowsがHDDかSSDかを判断して、最適な方法(SSDにはTRIM処理)を自動で行ってくれます。

【ステップ5】メモリの状態をチェックしよう

メモリは、パソコンがスムーズに作業を進めるための**作業スペース(作業机)**です。 これが狭すぎたり、故障していたりすると、パソコン全体の動作がもっさり重くなります

■ まずはメモリの容量を確認しよう

  1. タスクマネージャーを開き、「パフォーマンス」タブをクリック
  2. 左側の「メモリ」を選ぶと、使用中のメモリと合計容量が表示されます

📌 快適なメモリ容量の目安

用途推奨メモリ
インターネット・事務作業最低8GB、快適に使うなら16GB
軽いゲームや動画編集16GB〜32GB
4K編集・3D制作など重い作業32GB〜64GB以上

💡 4GB以下は要注意! Windowsだけで5〜7GB程度使われるため、4GBではすぐに動作が重くなってしまいます。

■ メモリの不調が疑われる症状とは?

以下のような症状が出ている場合は、メモリの不具合や容量不足が原因かもしれません

  • 起動やアプリの動作が異常に遅い
  • よくフリーズ・勝手に再起動する
  • アプリのインストールに失敗する
  • ブルースクリーン(青い画面)が頻発する

⚠ ただし、ストレージやCPUの故障でも同じような症状が出るため、総合的に判断することが大切です。

■ Windows標準の「メモリ診断ツール」でチェック!

  1. Windowsの検索バーに「メモリ」と入力
  2. Windows メモリ診断」を選ぶ
  3. 今すぐ再起動してチェック」または「次回の再起動時にチェック」を選択
  4. 再起動後、自動でメモリ検査が始まります

✅ 結果の確認方法

検査が終わっても画面にすぐ結果は表示されません。以下の手順で確認できます:

  1. 検索バーに「イベント ビューアー」と入力して開く
  2. 左のメニューから「Windowsログ」→「システム」を選択
  3. 右側の「現在のログをフィルター」で「MemoryDiagnostics-Results」を検索

■ メモリが壊れていたらどうする?

  • メモリは非常に耐久性が高く、10年ほど使えることもあるため、故障は稀です
  • ただし、中古パソコンや相性の悪いメモリを増設した場合などはエラーが出ることもあります
  • デスクトップPCならメモリの交換や増設が簡単!  ノートPCでも一部は交換可能なので、仕様を確認してみましょう

【ステップ6】CPUの性能と交換の可否を確認しよう

CPU(中央処理装置)は、パソコンの“頭脳”です。ここが古かったり、能力不足だったりすると、全体の動作スピードに大きな影響を与えます。

■ タスクマネージャーでCPUの状態をチェック

  1. タスクマネージャー → 「パフォーマンス」タブ → 「CPU」を選択
  2. 使用率が常に高い(80〜100%)状態が続くなら、CPUに負荷が集中しているサイン

また、CPU名(例:Intel Core i5-8250Uなど)もここで確認できます。

■ CPUは交換できる?

CPUの交換はパソコンの種類によって可否が大きく分かれます

パソコンの種類CPU交換の可否備考
デスクトップPC◎ 可能マザーボードに対応したCPUに限る
ノートPC✕ ほぼ不可多くは基板に直付けされているため交換できない
自作PC◎ 可能マザーボードと電源に注意すればアップグレード可能

■ CPU交換が難しいなら、買い替えも検討を

以下のような状況であれば、パソコンの買い替えを検討するのがベストです。

  • ノートパソコンでCPU交換ができない
  • かなり古いCPU(第4世代以下のCore iなど)を使っている
  • Windows 11に非対応のCPUを使っている

💡 今のパソコンは、数万円台でも高速なSSDと十分なメモリを搭載した機種が多く、昔に比べて圧倒的に快適です!

まとめ:ハードウェアのチェックで原因を特定しよう!

パソコンの不調は、「ソフトの問題」だけでなく「ハードの劣化や性能不足」が原因のこともあります。今回紹介した方法を使えば、どのパーツが足を引っ張っているのかを見つけることができます。

  • メモリが足りているか、壊れていないか
  • ストレージ(SSD/HDD)の健康状態
  • CPUが過負荷になっていないか
  • 交換や増設が可能かどうか

これらを確認すれば、パソコンを買い替えるべきか、まだ使えるのかをしっかり判断できます。


✅ 前回の「システム編(DISM・SFCでの修復)」をまだ読んでいない方は、そちらもチェックするのがおすすめです!